猫の日は、「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」の語呂合わせから2月22日に制定されました。

「ネコノミクス」という言葉を聞いたことがありますか?これは、猫がもたらす経済効果を指す造語で、日本の猫ブームが経済に与える影響を象徴しています。2010年代以降、猫人気が高まる中で注目され始めたこの現象は、安倍元首相の「アベノミクス」にちなんで名付けられました。関西大学名誉教授の宮本勝浩氏による試算では、2025年時点でネコノミクスの経済効果は約2兆9086億円に達し、東京オリンピック並みの規模を持つとされています。このブログでは、ネコノミクスの概要、その経済効果の内訳、背景にある社会的要因、そして今後の可能性を解説します。

ネコノミクスとは何か?

ネコノミクスは、猫に関連する消費活動が経済に与える影響を総称したものです。具体的には、猫の飼育費用、猫グッズやサービスの売上、猫を目的とした観光やイベントによる経済効果が含まれます。宮本氏の研究によると、2015年には約2兆3162億円だったこの数字が、2025年には約2.9兆円に成長。これは、猫が単なるペットを超えて、日本経済を動かす大きな要因となっている証拠です。

経済効果は「直接効果」「一次波及効果」「二次波及効果」の3つに分けられます。それぞれを詳しく見ていきましょう。

1. 直接効果:猫への直接的な支出

直接効果は、猫に関わる具体的な消費を指します。主な内訳は以下の通りです:

  • 飼育にかかる費用:キャットフード、猫砂、玩具、医療費などが該当します。最近では、AIやITを活用したペットテック(スマートトイレや追跡首輪など)が登場し、飼育費を押し上げています。
  • 猫愛好家の消費:猫モチーフの雑貨や衣類、猫カフェでの支出です。猫カフェは日本独自の文化として定着し、特に2022年の「スーパー猫の日」(2月22日)には多くの人が訪れました。
  • 観光やイベント:和歌山電鐵の「たま駅長」は年間約11億円の経済効果を生み、猫島(青島や田代島)への旅行も人気です。

2. 一次波及効果:産業への広がり

直接効果が他の産業に波及する効果です。例えば、キャットフードの生産が増えれば、農業や漁業、包装材産業に需要が生まれます。猫カフェは飲食業や不動産業界を活性化し、観光は交通機関や宿泊施設に利益をもたらします。この連鎖が一次波及効果として経済を押し上げます。

3. 二次波及効果:消費のさらなる拡大

一次波及効果で得た収入が従業員に還元され、それが再び消費に回ることで生じる効果です。例えば、キャットフード工場の従業員が給与を飲食や娯楽に使えば、地域経済がさらに潤います。この間接効果が、ネコノミクスの総額を大きくする要因です。

なぜネコノミクスが拡大したのか?

ネコノミクスがここまで成長した背景には、いくつかの社会的要因があります。

  • 猫ブームの火付け役:2007年に登場したたま駅長を皮切りに、ゲーム「ねこあつめ」や映画「猫侍」、SNSでの猫コンテンツがブームを加速。2025年現在もその勢いは衰えていません。
  • ペットとしての人気:単身世帯や高齢者世帯の増加で、飼いやすい猫が犬を上回る人気に。コロナ禍で癒しを求める人が増えたことも後押しし、2020年以降、飼い猫の数はさらに増加しました。
  • 癒しの需要:ストレス社会の中で、猫の存在がメンタルヘルスを支えています。2022年の試算(約1兆9690億円)から2025年の約2.9兆円への急増は、この需要を反映しています。
  • 企業の参入:コンビニや百貨店が猫グッズを展開し、マーケティングに猫を活用。2022年の「スーパー猫の日」には、宝くじに「招き猫」が登場するなど、企業戦略が市場を拡大しました。

課題と今後の展望

ネコノミクスの拡大は喜ばしい一方で、課題も見られます。猫ブームによる過剰飼育や捨て猫問題が深刻化し、保護活動への負担が増しています。また、商業利用の過熱が動物福祉を脅かす懸念もあります。

今後は、持続可能な成長が鍵となります。ペットテックの進化で猫の健康管理が向上すれば、飼い主の負担が減りつつ経済効果が維持されるでしょう。また、猫を活用した地域活性化(猫島や猫カフェの観光)が進めば、地方創生にも寄与します。2025年以降も、猫が経済を動かす存在として注目され続けることは間違いありません。

まとめ

ネコノミクスは、直接効果、一次波及効果、二次波及効果を合わせ、約2.9兆円という驚異的な経済効果を生み出しています。猫ブームや癒しの需要、企業の戦略がその原動力であり、日本社会のトレンドを映す鏡とも言えます。課題はありますが、持続可能な形で発展すれば、ネコノミクスは日本経済の新たな柱となるでしょう。猫好きならずとも、この現象から目が離せませんね!